マイクロソフト出身のCTOが語る、withにジョインした理由と組織のポテンシャル
マッチングアプリ「with」は同じくマッチングアプリの「Omiai」と2023年3月1日よりエニトグループとして新たにグループ体制へ移行します。総ユーザー数、約1500万人以上となるエニトグループのグループCTOとして2022年12月、CTOの坂水さんがジョインしました。
事業が新たな展開を見せる中、坂水さんはCTOとしてどのような展望をお持ちなのか。また、多様な経歴を持つ坂水さんがwithを選んだ理由、組織の魅力について語っていただきました。
国内外の有名企業でエンジニア・マネージャーを務めた多彩なキャリア
― 最初に、坂水さんのご経歴について簡単に教えてください。
坂水:私は三菱電機の半導体メーカーでエンジニアとして働いた後、マイクロソフトに入社。ソフトウェア開発シニアマネージャーを経て、LINE、楽天で技術部門の執行役員を歴任しました。さらにウォルト・ディズニー・ジャパンのExecutive Directorとして定額制動画配信サービスの立ち上げなどの開発を統括し、日本マーケットにおける同社のデジタル化を推進。2020年からはベルトラのCTOに就任し、オンライントラベルサービス開発の統括、2022年12月にwithにジョインしました。
― 国内外を問わず有名企業で活躍されてきた坂水さんですが、キャリアのターニングポイントはどこにありましたか?
坂水:マイクロソフトに転職したときですね。それまで三菱電機で日本企業の一般常識を学んできた自分にとって、外資系企業のマネジメントに対する合理的な考え方は、カルチャーショックでした。
三菱電機ではエンジニアが一貫して仕様決めからコーディング、テストまでをこなす傾向が強かった一方、外資系のマイクロソフトでは、コーディングやテストは専門のエンジニアが分業。製品の全体像を形作るのは、PMの役割でした。もともと私はエンジニアとしてコーディングをしていたのですが、マイクロソフトで実際にPMを務めるようになってからは、「PMが一番面白いぞ」と感じるようになりました。
特に、ユーザーやカスタマーサポートからの声を受けてエンジニアとの橋渡しを行い、製品の改善に貢献するのは、大きなやりがいでした。このようにマイクロソフトで培った経験やノウハウが、今の私のマネジメントやものづくりへの考え方の基礎になっています。
現在も技術系に特化するというよりは、部署同士の橋渡しとその先のプランニング、組織マネジメントが得意領域です。
マイクロソフトと同様にユーザー起点の開発をしている点に惹かれた
― withに転職を決めた理由はなんですか?
坂水:日本は婚姻率の低さが社会問題となっていますし、海外ではマッチングアプリでの出会いが主流になりつつあります。マッチングアプリは、今後伸びる市場だろうと感じていました。ちょうどwithはネットマーケティング子会社化の話が出たタイミングで、Omiaiも含めた大きな取り組みができそうでしたし、海外展開の話もあると知ってより一層興味を抱きました。
また、私は楽天時代に結婚紹介サービス「O-NET」の開発を見ていたことがあり、「人の人生を変えるサービスはすごい」というメンバーの言葉が印象に残っていたのも、ジョインの理由ですね。
― エンジニア組織にフォーカスしてみると、どんな魅力がありましたか?
坂水:カスタマードリブンで、ユーザー志向の開発を推進しているのが魅力的でした。私がマイクロソフトで一番学んだのは、「カスタマーフォーカスイノベーション」の重要性です。事業会社である以上はただ単にイノベーションを起こすのではなく、カスタマードリブンで技術活用を検討すべきだ、ということです。具体的には、ユーザーシナリオを常に念頭に置き、ユーザーのペインポイントを解消するためにどんな技術が必要なのか、本質的に考えるような開発の仕方を指します。
withのメンバーはプロダクトをよく見ていますし、実際にプロダクト自体も広く評価されている点で、カスタマードリブンな開発ができているのだろうと感じました。エンジニアの方々が自らコンペティターのプロダクトを比較検討し、その上で提案・フィードバックを行っているのも強みですね。
これは、UXをきちんと考えられているということでもあります。マイクロソフトではシナリオフォーカスエンジニアリング――今でいうUXドリブンのような形で、機能単体ではなくユーザーシナリオに沿った必要機能を重点的に開発するような手法も重視していました。こうした開発への姿勢が、私とwithがマッチしたポイントの一つだったと感じています。
エンジニアのパフォーマンスを最大限発揮できる環境構築を目指す
― CTOとしてどのようなミッション、課題をお持ちなのでしょうか?
坂水:withはシステム的に安定していて、エンジニア個人のスキルや個性も際立っている組織です。製品についてしっかりコミットして考えている方々でもありますから、今後はいかに彼らのパフォーマンスを向上するのか、アウトプットのスピードをどう高めるのかといった点が課題になると認識しています。まだ具体的なボトルネックの特定はできていませんが、合理的に開発のリクエストの処理をしていくための最善策を模索中です。
同時並行でOmiaiの開発組織も見ているので、そちらは組織の再構築に伴って、開発プロセスの改善に取り組んでいく予定です。
― 坂水さんがCTOに就任されたことで、組織にはどのようなメリットが生まれそうですか?
坂水:withとネットマーケティングの2社でナレッジシェアリングをして、開発に相乗効果を生み出せればとは思いますね。
その上で、いかに面白い仕事をメンバーに提供できるかについては常に考えています。エンジニア一人ひとりがパフォーマンスを最大限発揮できるような環境づくりを行うことはもちろん、新規開発を創出するなど、若いメンバーが積極的に活躍できる組織にしたいです。
市場、技術、海外進出など、多角的な可能性が大きな魅力
― 坂水さんから見て、withのポテンシャルはどんなところにあると思いますか?
坂水:入社理由でも述べた通り、マッチングアプリ先進国であるアメリカやアジア諸国と同様に、日本の市場が今後伸長していく可能性が高いというのがまず一点です。
さらに技術的な観点でポイントになるのが、「マッチング精度」の追求ですね。AIを活用しながらどのようなレコメンデーション機能開発を行うのか、さまざまな技術的な可能性があると見ています。
― 坂水さんはwithの海外展開についても着目されていましたが、海外展開をする面白さはどんなところにあるのでしょうか?
坂水:日本のサービスが海外展開をすると失敗してしまう事例が多いだけに、私自身はマッチングアプリで海外展開を狙えるのは面白いと感じています。
また、エンジニア的に海外で自分の製品が使われるというのは、モチベーションアップにつながるのではないでしょうか。実際、グローバル製品の強さは私もこれまでのキャリアの中で実感しています。コスト効率もかけられる予算も国内製品とは段違いなので、スケールメリットも大きいはずです。
ユーザーのペインを解消するため、自走できることがポイント
― 中長期的に坂水さんが目指す組織の展望について、簡単にお聞かせください。
坂水:長期的には採用を積極的に進めていく必要がありますが、やはり時間がかかります。中期的に外部ベンダーを上手く活用するためにも、ベンダーマネジメントやベンダーセレクションからスタートしているところです。
― withにマッチするのは、どのような人でしょうか?
坂水:カスタマーフォーカスイノベーションの考え方を大事にしてくれる人ですね。テクノロジードリブンではなく、ユーザーのペインポイントに対してソリューションを提供してほしいと思います。
また、企業規模を考えると自走できることも重要です。自分から仕事を見つけ、自発的に動ける人がマッチするでしょう。実際にエンジニア起点でさまざまな提案が可能な環境ですから、コーディング一辺倒というよりは、自分から柔軟に提案してくれる人材を強く求めています。
withではこれからの成長に向けた新しい仲間を募集中です。
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