セルフ・コンパッションとは?人生の満足度を高める前向き思考のメリットと鍛え方|賢恋研究所
「失敗してもへこたれない精神力がほしい」「前向きに考えれれるようになりたい」そう考えている人におすすめなのが、セルフ・コンパッションを鍛えることです。今回は、身につけると人生の満足度が高まるセルフ・コンパッションの鍛え方を伝授します。
そんなふうに考えている人におすすめなのが、「セルフ・コンパッション」を鍛えることです。セルフ・コンパッションとは、自分をあるがままに認める力。
これを身につけることで、あなたは自分のいいところ、ダメなところ、すべて受け入れ、前に進んでいくことができます。
今回は、人生の満足度が高まるセルフ・コンパッションの鍛え方を伝授します。
セルフ・コンパッションが高まると人生の満足度が高まる
セルフ・コンパッションは、「高い、低い」と表現されます。
セルフ・コンパッションが高い状態では、自分に対して優しくポジティブな評価を与えることができます。
例えば、仕事などで失敗したとき、
◆ 「今回はうまくいかなかったけど、チャレンジしたことに意味がある」
◆ 「次こそはうまくいくかもしれないし、この失敗もきっと自分の将来に役に立つだろう」
などと受け止めることができるのです。
逆にセルフ・コンパッションが低い状態では、
◆ 「やっぱりダメだった」
◆ 「これだから俺は……」
と必要以上に自己批判的になってしまいます。
つまり、セルフ・コンパッションが高まると自分を肯定的に理解することができ、人生の満足度も高まるのです。
セルフ・コンパッションが高まることで得られる3つのメリット
そして、カリフォルニア大学バークレー校の研究では、セルフ・コンパッションが高まることで私たちは大きく分けて、3つのメリットを得ることができます。
メリット① へこたれない心「レジリエンス」が育ちやすい
レジリエンスとは、へこたれない心。
セルフ・コンパッションが高い人ほど、レジリエンスが育ちやすく、失敗や挫折から立ち直りやすいことがわかっています。
自分への優しさを持っている人は、失敗した自分、挫けた自分を受け入れ、前向きな反省をし、次に活かすことができるからです。
ポイントは前向きな反省ができるところ。過ちに目をつぶり、現実逃避して痛みをやり過ごすのではなく、きちんと受け止め、次に活かそうと考えるので同じミスをする確率がどんどん下がっていきます。
つまり、セルフ・コンパッションが高い人は、失敗や挫折を経験するたびに、レジリエンスを育てることができ、その結果、ミスや挫折をする可能性も低くなるのです。
メリット② 成長マインドセットが育つ
セルフ・コンパッションの高い人は、成長マインドセットを育むことができます。
成長マインドセットとは、自分は努力によって変わっていける、より良い方向に変化できると信じられる心のことです。
「才能は生まれつき決まっている」「自分はダメなんだ」「どうせ無理」という固定マインドセットの持ち主は、挑戦や努力を望まず、良くて現状維持という人生を歩みます。
しかし、成長マインドセットを持っている人は、困難を前にしても「今はできないかもしれないけど、これから頑張っていけばいい」と前向きに取り組むことができるので、実際に成長していくのです。
メリット③ オーセンティシティが高まる
セルフ・コンパッションの高い人は、オーセンティシティが高まることもわかっています。
オーセンシティとは「自分は今の生活や人生にかなり満足している」「生まれ変わっても、もう一回この自分になりたい」と思える、本当の自分に忠実に生きている感覚です。
今の自分に「OK」を出せるので、自己肯定感も高くなり、やる気、行動力、集中力、モチベーション、挑戦力なども良好な状態に。
オーセンティシティの高い人は恋愛相手から頼れる存在に見えますし、仕事でも自然とリーダーシップを発揮する立場になっていきます。
セルフ・コンパッションの鍛え方
レジリエンス、成長マインドセット、オーセンティシティの高まりという人生がイージーモードになること確実な3つのメリットをもたらすセルフ・コンパッション。その鍛え方を解説します。
セルフ・コンパッションの鍛え方① セルフ・コンパッションチェックリストを確認する
まずは、「自分はセルフ・コンパッションできているかな?」と確認しましょう。
チェックリストの項目は3つです。
セルフ・コンパッションができているかのチェックリスト
① 自分自身に対して、寛容さと理解を示しているだろうか
② 失敗や欠点があるのは当たり前で、人間にとって普遍的なものとして受け入れられているだろうか
③ マイナスな感情が強くなったとき、客観的に「今、ヤバいな……」「ネガティブになっているな」と捉えられているだろうか
普段からこの3つのチェックリストを頭の片隅に置いておき、自分で自分を責めるような心境になったとき、大丈夫かな? とチェックしていきましょう。
セルフ・コンパッションの鍛え方② 自分に寛容になり、強みと弱みを理解する
失敗しても成功しても、そのときの結果を寛容に受け止めること
自分の強みと弱みを理解しておくこと
この2つの視点を持つことで、セルフ・コンパッションを鍛えることができます。
人間は誰でも、調子いいときもあれば、悪いときもありますし、苦手なものも得意なものもありますよね。
例えば、方向音痴でなおかつ地図を読むのが苦手なのに、無理をして自力で目的地を目指し、道に迷ってしまったとしましょう。
「苦手なことに挑んでしまったこと、自分の強みと弱みをちゃんと理解しないで行動したことが問題だった」と受け止め、「次はナビアプリを使おう」「積極的に地元の人に聞くようにしよう」と改善策をイメージできれば、自分の失敗に寛容になります。
この感覚があるかないかでは、次に似たような場面になったときの対処の仕方が変わり、成長マインドセットを持てるかどうかを左右するのです。
セルフ・コンパッションの鍛え方③ ネガティブな感情を客観的に捉える
自分の感情を外側から捉える訓練も、セルフ・コンパッションを鍛えることにつながります。
そのためには、自分のマイナスな感情と自分に優しい言葉を掛けるノートをつくることがおすすめです。
「また、『自分はできない』と感じている」と書いたら、「でも、『自分はできないと感じている』と気づけたのはいいこと」と受け止める。
そんなふうにマイナス面を発見した自分をポジティブに評価する言葉を綴っていくことで、セルフ・コンパッションが高まります。
友達に声をかけるように、自分と向き合う
セルフ・コンパッションを高めるため、自分に優しく……と言われても、なかなかうまくできないと感じることもあるかもしれません。
そんなときは、友達に優しい言葉をかけるようなイメージで自分を支えていきましょう。
仕事で失敗して落ち込んでいる親友になんと声をかけるか?
失恋で沈んでいる友達をどう励ますか?
ストレスが溜まってネガティブになっている仲のいい同僚にどう寄り添うか?
そんなイメージを膨らませると、伝えるべき優しい言葉が浮かんでくるはずです。じつはその感覚を自分に向けるのが、セルフ・コンパッションの極意。
親友を励ますように、自分に対して親身になり、優しさを持って接していきましょう。すると、失敗しても前に進めるメンタルが養われていくはずです。