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あなたは大丈夫?カップルを破局に導く「ナイーブ・シニシズム」とは

あんなに仲良しだったのにいつの間にか破局しているカップルって意外と多いですよね。その原因は「ナイーブ・シニシズム」というバイアスにかかっているからかも。今回は、意外と誰もが陥りがちなカップルを破局に導くナイーブ・シニシズムについて解説します。


あなたは「ナイーブ・シニシズム」という言葉を聞いたことがありますか?

これは社会心理学の用語で、「人は『自分は役立つ振る舞いが多く、迷惑になるようなことはあまりしていない』と思っている」と思い込むバイアスです。

簡単に言ってしまえば、「自分以外の人はみんな自分以上に自己中心的だ」という思い込みとなります。

じつは、このナイーブ・シニシズムが強く働きすぎると、仲良しだったカップルを破局に追い込むほどのコミュニケーションの行き違いが生じてしまうのです。

今回は、誰もが陥りがちなナイーブ・シニシズムの罠やその傾向が高いカップルの特徴、見分け方などについて解説していきます。

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ナイーブ・シニシズムが高いカップルは破局する

ナイーブ・シニシズムについて、「自分以外の人はみんな自分以上に自己中心的だ」と思い込んでしまうバイアスと説明しました。

このバイアスは恋愛にも負の影響が。実際、ナイーブ・シニシズムの高いカップルはうまくいかないということが、コーネル大学の行った実験で判明しています。

【実験内容】

コーネル大学が108組のカップルを集め、それぞれのナイーブ・シニシズムについて調べるという研究を行った。

カップルに「いいこと」や「悪いこと」が起きたとき、「あなたのパートナーは、その出来事が誰のおかげで起きたと考えると思うか?」と質問。

【質問の狙い】

質問の狙いは、

「いいことが起きたとき、あなたのパートナーは『あなたのおかげだ』と思うか? それとも『自分のおかげだ』と思っていそうか?」

「嫌なことが起きたとき、あなたのパートナーは『あなたのせい』にしますか? それとも『自分のせいだ』と責任を引き受けますか?」

…と聞くことにあった。

【結果】

この質問に対して、「私の彼氏は、悪いことは『私のせいだ』と言い、いいことは『俺が頑張ったからだ』と考えていると思う」と答えた人

→自分の彼氏は私よりも自己中心的だと思い込んでいる。つまりナイーブ・シニシズムが強い傾向

また調査の結果、ナイーブ・シニシズムの傾向が強いカップルほど、関係性が悪化し、恋愛が長続きしないことがわかった。

つまり、ナイーブ・シニシズムの傾向が強い人は、パートナーのことを「自己中心的だ」と責め、自分は「いつも相手に合わせている」と自己弁護するため、恋愛がうまくいかなくなるわけです。

ナイーブ・シニシズム傾向が高いカップルの特徴

ナイーブシニシズムが高い人は、基本的に恋人のことを上から目線で見ています。

例えば……

「基本的に私の方がいつも彼氏に合わせている」

「彼氏は自由にやっていて、私よりも自己中心的だ」

「ケンカになったときも仲直りのための努力しているのは、俺」

「ケンカの原因は、いつも彼女のわがまま」

このように、「私/俺がやってあげているからうまくいっている」「悪いのは自己中心的な彼氏/彼女のせい」と思い込んでいます。そのことから、

  • 喧嘩をした時、「私/俺は悪くない」の一点張りで仲直りが上手にできない

  • 相手に何かしてもらっても感謝しない

  • 相手に対しての不満や直してほしいことは押し付けるが、自分は改善しない


……といったことが起こり、関係性がこじれて破局に繋がるのです。

相手のナイーブ・シニシズム傾向が高いか見極める方法は?

ナルシスト傾向が強いかどうかは、「自分はナルシストだと思いますか?」というストレートな質問である程度、見極めることができます。

しかし、ナイーブ・シニシズムの傾向が強い人は「自分が自己中心的で、人を責めがちだ」とは自覚していません。

ですから、ストレートに聞くのではなく、過去の恋愛について質問することで探っていくのがベターです。

例えば、昔の彼氏、彼女とのケンカについて聞いてみましょう。

過去の質問からナイーブ・シニシズム傾向を見極めよう

「昔、付き合っていた人とケンカしたことある?」

「何年か前、彼女とケンカして、結局そのまま別れたんだよね」

「そうなんだ。大変だったね。ちなみに、何が原因で別れるほどのケンカになったの?」

「いや、俺も悪かったところがあったんだけど〜」

…と、自分の非も認めつつの思い出話となる

→ナイーブ・シニシズムの傾向は低め

「彼女のわがままに付き合いきれなくなってさ、我慢しきれずにキレちゃったんだよね」

「俺は頑張って耐えていたのに向こうのせいで……」

……という相手のせいというトーンで語る

→ナイーブ・シニシズムの傾向は高め

また、過去の恋人をこんなふうに思い出している人も、ナイーブ・シニシズムの傾向が強い可能性があります。

「自分はいつも面倒な相手に引っかかるんだよね」

「少しメンタルに問題がある子に惹かれて、俺が守ってあげなくちゃと思うんだけど、結局、振り回されて終わってしまう」

実際に難しい彼女だった可能性もありますが、「自己中心的」な相手に対して「自分がいつも合わせていた」という思い込みの表れかもしれないからです。

あなた自身にも当てはまるところは?心理対比でチェック

ナイーブ・シニシズムの傾向は強いか、弱いかの差はあれ、誰もが少なからず持っているものです。

もし、ここまで読んできて「私もナイーブ・シニシズムの傾向が強いかも」と感じたら、「心理対比」というテクニックで自分を客観視することをオススメします。

自分を客観的に見直すことができる「心理対比」の方法

心理対比は、自分が抱えている問題を「親しい友だちの身に起きているもの」と考え、相手から相談されたとき、どうアドバイスするかを想像するテクニック。

自分の抱えている問題のときは気づかなかったことが、友達のことだと思うことで見えてきます。

つまり、自分自身の状況を客観視できるようになるのです。

例えば、「いつも自分が我慢して、相手に合わせている」と友達がボヤき、「どうしたらいい?」とアドバイスを求めてきたら、まず間違いなくあなたは「どんなふうに?」「どんな場面で?」と質問するはずです。

この問い直しによる思い返しで、「じつは自分ばかりが我慢して、相手に合わせているというのは、ただの思い込みだっただけかも……」という気づきが得られるわけです。

その結果、ナイーブ・シニシズムの傾向が強くなっている自分に気づくこともでき、パートナーとの関係を冷静に見直すことができます。

恋愛において100%相手に非があることはほとんどありません。カップルを破局に導くナイーブ・シニシズムの罠に陥っていないか、一度、客観視してみても損はないでしょう。


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