エゴグラムで性格診断!5つの自我状態の特性を解説|賢恋研究所
エリック・バーン博士の理論をもとにジョン・M・デュセイが考案した性格診断テスト、エゴグラム。自我を形成する5つの自我状態(CP、NP、A、FC、AC)とそれぞれの持つ特性などを解説します。5つのバランスを分析し、自分の性格を表すエゴグラムを作ってみましょう。
エゴグラムとは?
エゴグラム (Egogram) とは、アメリカの心理学者であるエリック・バーン (Eric Berne) 博士の「交流分析」という心理学パーソナリティ理論をもとに、博士の弟子である弟子であるジョン・M・デュセイ (John M. Dusay) が考案した性格診断テストです。
そして、エゴグラムは
厳しい親のような支配性(CP)
優しい親のような寛容性(NP)
落ち着いた大人な理論性(A)
やんちゃな子供のような奔放性(FC)
従順な子供のような順応性(AC)
……といった5つの自我の状態で構成されています。それぞれの自我状態について詳しく見ていきましょう。
エゴグラムを構成する5つの自我状態
各5つの要素は、人によってそれぞれ強い、弱いがあり、そのバランスによって性格が形成されています。
そして、各自我状態の強弱をグラフ化することで、強い要素・弱い要素を知ることができ、性格の癖がわかるのです。
ただし、強いから良い、弱いから悪いということはなく、その人の性格的特徴を反映しているだけに過ぎません。
では早速、「エゴグラム」の5つの自我状態についてそれぞれ解説していきます。
厳しい親のような支配性(CP)
厳しい親のような支配性を示すCPとは、Critical Parent の略。正義感や責任感の強さを表し、自我状態の中では「父親」のような役割をします。
CP要素の強い人の特徴
秩序を重んじる、自分にも人にも厳しい、筋を通す、頑固
CP要素の弱い人の特徴
マイペース、融通がきく、優柔不断、怠け癖がある
CPの要素が強い人は、ルールを重んじる努力家タイプ。義務感や正義感が強いのでリード力もあります。
しかし、あまりにCP要素が強すぎると、完璧主義が裏目にでて、自分の価値観を他人に押し付けたり、異なる考えに批判的になったりする傾向が。
一方、CPの要素が弱い場合、おっとりとした柔軟性のある性格に。ただし、優柔不断だったり、無責任な行動に出やすかったりします。
見極めポイント
◆ 正義感・責任感が強いか、そうじゃないか
◆ ルールは守るべきだと思うか、多少は破っても良いと思うか
優しい親のような寛容性(NP)
優しい親のような寛容性を示すNPとは、Nurturing Parent の略。共感能力や思いやりの強さを表し、自我状態の中では「母親」のような役割をします。
NP要素の強い人の特徴
愛情深い、世話好き、共感性が高い、過保護
NP要素の弱い人の特徴
さっぱりしている、感情的にならない、冷淡、利己的
NPの要素が強い人は、世話好きで他人のサポートが上手なタイプ。愛情深く、深い優しさを持っています。
しかし、あまりにNP要素が強すぎると、相手を甘やかしすぎたり、おせっかい、過保護に思われたりすることも。
一方、NPの要素が弱い場合、冷静でさっぱりとした性格に。ただし、思いやりにかける部分があるので、自分勝手に見えてしまいます。
見極めポイント
◆ 映画やドラマでかわいそうなシーンを見ると感情移入をしてもらい泣きしてしまうか、感情移入しない方か
◆ 子供や子犬などか弱い生き物を見るとお世話をしたくなるか、ならないか
落ち着いた大人な理論性(A)
落ち着いた大人な理論性を示すAとは、Adult の略。冷静さや現実志向性の強さを表し、自我状態の中では「成熟した大人」のような役割をします。
A要素の強い人の特徴
現実主義、知的、論理的、情緒が安定している、計算高い
A要素の弱い人の特徴
感受性豊か、お人好し、主観的、感情的、計画が苦手
Aの要素が強い人は、冷静沈着で合理的なタイプ。自己コントロール能力が高く、物事を客観的に見て判断するも得意です。
しかし、あまりにA要素が強すぎると、冷たく人間味がない、計算高く理屈っぽいという印象に。
一方、NPの要素が弱い場合、楽観的で愛嬌のある性格に。ただし、相手にわかりやすく物事を伝えることが苦手だったり、感情に振り回されたり、計画性に欠けていたりするので、頼りない、未熟だと思われてしまうことも。
見極めポイント
◆ 計画性があるか、ないか
◆ ドラブルにも動じす冷静に対処できるか、焦ってしまうか
やんちゃな子供のような奔放性(FC)
やんちゃな子供のような奔放性を示すFCとは、Free Child の略。創造性や自発性、好奇心の強さを表し、自我状態の中では「無邪気な子供」のような役割をします。
FC要素の強い人の特徴
好奇心旺盛、ユーモアがある、無邪気、自己中心的
FC要素の弱い人の特徴
おとなしい、慎重、無気力、自己表現が苦手
FCの要素が強い人は、天真爛漫で直感的なタイプ。表現力豊かで活力にあふれているため、ムードメーカーとして周囲を明るすることが得意です。
しかし、あまりにFC要素が強すぎると、自己中心的でわがまま、調子に乗りやすく子供っぽい、と思われてしまう傾向が。
一方、FCの要素が弱い場合、慎重でおとなしい性格に。ただし、表現力に乏しいため無気力で暗いという印象を与えてしまったり、意欲的じゃないことから人生を楽しいと思えなかったり…なんてことも。
見極めポイント
◆ いろんなことに挑戦したいか、したくないか
◆ 考える前に行動するか、考えてから行動するか
従順な子供のような順応性(AC)
従順な子供のような順応性を示すACとは、Adapted Child の略。協調性や忍耐力の強さを表し、自我状態の中では「優等生の子供」のような役割をします。
AC要素の強い人の特徴
我慢強い、気遣いができる、受け身、心配性
AC要素の弱い人の特徴
あけっぴろげ、マイペース、積極的、天の邪鬼
FCの要素が強い人は、素直で礼儀正しい、いわゆる"いい子"と言われるタイプ。周りをよく見ていて察しが良いので、周囲の期待に答えようと努力します。
しかし、あまりにAC要素が強すぎると、周りの評価を気にしすぎて消極的になってしまったり、不安感から依存的になってしまったりする可能性が。
一方、FCの要素が弱い場合、ざっくばらんで積極的な性格に。ただし、マイペース過ぎてわがまま、天の邪鬼で反抗的、といった印象を持たれることも。
見極めポイント
◆ 空気を読んで行動するか、空気は関係なく行動するか
◆ 周囲の期待に応えたいと思うか、思わないか
まとめ
私達の自我・性格は、この5つの自我状態のバランスによって形成されている、というのがエゴグラムの考え方です。
こうした性格診断などで性格の癖がわかると、どのような相手と相性がいいのかもわかってきます。
また似たような考え方で、「ビッグファイブ理論」というものが存在します。
こちらも、性格形成において重要な性格分析の理論となっているので、ぜひチェックしてみてください。