恋愛ですれ違いが起きるのはなぜ?誤解を防ぐコミュニケーションの心得と対処法|賢恋研究所
大好きな人と意見や気持ちがすれ違うのは辛いですよね。そこで今回は、恋愛ですれ違いが起こる原因や、それを踏まえた上で心得るべきコミュニケーションのとり方、すれ違ってしまったときの対処法を紹介します。
好きだから付き合っているはずなのに気持ちがすれ違う
相手のためを思って言っているのに意見が食い違う
大好きな人と意見や気持ちがすれ違うのは辛いですよね。
今回は、恋愛ですれ違いが起こる原因や、それを踏まえた上で心得るべきコミュニケーションの取り方、すれ違ってしまったときの対処法を紹介します。
恋愛で起こるすれ違いの主な原因は過度な期待や思い込みによる「誤解」
恋愛で起こるすれ違いの主な原因は「誤解」です。
「同じ気持ちだと思ったのに」
「彼ならわかってくれると思ったのに」
「前に話したのに、覚えていないのかな」
恋人同士という親しい間柄だからこそ、相手は自分の考えや希望をわかってくれているはず……と勝手に期待してしまうもの。
ところが、「誤解」に関する心理学の実験では、こんな結果が出ています。
「誤解」に関する実験
「相手にできるだけ好かれるように努力する」「自分の考えは決して曲げない」などのテーマを持ったAの立場と、特にテーマ設定はないBの立場で会話をしてもらい、実験終了後、聞き取りを行います。
すると、Aの立場で実験に参加した人は「自分の考えや態度の60%は相手に伝わったはず」と考えました。
しかし、Bの立場の人に確認すると、実際に伝わっていた部分は26%だったのです。
恋愛でも、勝手な期待が誤解を生む場面は多い
実験では2倍以上の認識の違いが生じましたが、実際の恋愛関係でも同じ現象は起こりがち。
例えば、彼女が「週末のデートは楽しみ。付き合った記念日だし……」と期待度95%で当日を迎えたのに、彼氏は記念日を忘れ、いつものお家デートを実行。
期待度95%をまんまと裏切る展開に、「大事に思われないのかも……」と彼女は不安と不安を膨らませていく……。
言わなくてもわかり合えているよね……という期待が誤解を呼び、すれ違いの原因となっていくのです。
愛し合っていれば誤解が生じないわけではありません。
日頃のコミュニケーション、伝え方の積み重ねがすれ違いを生じさせます。逆に言えば、普段からコミュニケーションや伝え方に気を配っていけば、誤解を防ぐことができるのです。
すれ違いを防ぐコミュニケーションの4つの心得
では、誤解によるすれ違いを防ぐための心得を4つ紹介します。
すれ違いを防ぐコミュニケーションの心得① 「わかってくれているはず」という幻想は捨てる
「愛があれば相手のすべてがわかるし、誤解やすれ違いは起こらない」とまでは考えていないかもしれませんが、「彼や彼女はわかってくれているはず」も幻想です。
すれ違いを防ぐためには、「相手は自分と同じことを考えている、わかってくれている」という思い込みを捨てましょう。
基本的に人間は全員、別々の生き物です。
まったく同じ経験をしてきた人はいませんし、喜怒哀楽がぴったり一致することもありません。
もちろん、気が合う人、ひと目見て惹かれ合う同士は存在します。
でもそれは相性の問題であって、以心伝心の関係が築けるわけではありません。
どれだけ付き合いが長くなっても、「私の思っていることを理解してもらうにはどうしたらいいかな」という視点を大切にして、コミュニケーションを取りましょう。
すれ違いを防ぐコミュニケーションの心得② 気分によって捉え方が異なることを理解する
あなたも経験があると思いますが、人間は天の邪鬼で、どんなに冷静沈着な人でもそのときの感情で物事の受け止め方、捉え方が変わります。
ご機嫌のときはガードがゆるくなり、「なんでもいいよ」「いいね、いいね、やろう!」と思えても、不機嫌で不安なときは「それはちょっと……」「なんでやらなきゃいけないの?」となってしまいます。
これは本人が悪いのではなく、私たちが感情に左右される生き物だからです。
恋人とのコミュニケーションでもこの原則を忘れず、相手の感情がどんな状態かを観察しましょう。
もちろん、いつも相手の顔色を伺う必要はありませんが、すれ違いを防ぐためにはやはりタイミングを計る必要があります。
「今は不機嫌そうだから、この話題はやめておこう」
「今日は仕事が片付いて気分が良さそうだから、次の旅行の相談をしてみよう」
感情を観察してタイミングを選ぶだけで、誤解が生じる回数は劇的に減っていきます。
すれ違いを防ぐコミュニケーションの心得③ 相手の言動を理解・記憶することはできないことを知る
恋愛関係が安定してくると、私たちは「相手のことを理解している」「相手の話にきちんと向き合っている」「大事な話は覚えている」と思い込みがちです。
しかし、この考えは誤解のもと。
脳神経科学の研究によって、感情と記憶は深く結びついていることがわかっています。
喜怒哀楽の感情が動いたときの出来事、聞いた内容は、深く記憶に残る一方、そうではない場合、すぐに忘れてしまうのです。
人間は、パートナーとの日々のやりとりが増えるにつれて、多くのことを忘れていきます。
なぜなら、安定した関係では会話のたびに大きく感情が動くことはないからです。
彼氏は「大事な話をした」と思っていても、彼女は「また愚痴ってる」と聞き流し、結果、彼氏の「あの話だけど」に彼女が「え? どの話?」と返して、気まずい沈黙なんてことが起こります。
記憶は自分の都合のいいようにしか残らない。
そう覚悟して、パートナーの話をメモに残す、やってあげるべきことはすぐにやるなどの対策を取りましょう。それがすれ違いを防ぎます。
また、相手があなたの発言を忘れてしまったときは「人間は忘れる生き物だから」と受け止め、もう一度、同じ話をしてみましょう。そのやさしさが、円満な関係を支えるはずです。
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すれ違いを防ぐコミュニケーションの心得④ 自分の話は控えめにし、相手の話を引き出す
自分の思っていること、感じていること、今日あったこと、パートナーに感謝していること、不満に思っていること……などなど。
恋人には甘えられるとばかりに、自分が会話の中心になって話しまくって、すっきり。カップルによっては、これでコミュニケーションが取れていると誤解しているパターンがあります。
すれ違いを防ぐために大事なのは、お互いがバランスよく話すこと。
自分オンステージにならないよう気をつけつつ、パートナーの話を引き出す質問を投げかけていきましょう。
その際、「YES/NO」で答えられるクローズド・クエスチョンではなく、オープン・クエスチョンで会話を広げていくこと。すると、パートナーの感じていること、思っていることが自然と伝わってきます。
その後、フォローアップ・クエスチョンで掘り下げていくと、相互理解が深まり、誤解やすれ違いが少なくなっていきます。
オープン・クエスチョン
二者択一ではなく、自由に回答できる質問のこと。
フォローアップ・クエスチョン
相手の発言を拾って掘り下げるような質問のこと。
誤解されたときの対処法
気を配っていても、ゼロにできない誤解やすれ違い。
もし、2人の間に誤解が生じ、すれ違ってしまった場合の対処法3つのステップで紹介します。
対処法ステップ① すれ違いが起きてしまったことを謝る
すれ違い生じてしまったら、できるだけ早くあなたからから素直に誤解を解くよう働きかけましょう。
弁解や反論もあると思いますが、まずはすれ違ってしまったこと自体を謝ります。
なぜなら、「ごめんね」というきっかけがないと親しいからこその「なんなんだ、あいつ」という感情が膨らみ、すれ違いがさらに広がっていくからです。
対処法ステップ② すれ違いが生じた原因を探る
一方が「ごめんなさい」と声をかけることで、2人の間に冷静さが戻ってきます。
そうなったら次のステップへ。今度はすれ違いの原因となった誤解の始まりを探っていきます。
このとき大事なのは、2人でできるだけ客観的に話し合うこと。
「あのとき、おまえが!」となってしまうと新たな火種になりかねません。
サスペンスドラマを見るように、「あのときの態度が伏線になっていて」「あのLINEが言葉足らずで意味が伝わらなかったから」とすれ違いの原因を見つけていきましょう。
対処法ステップ③ お互いの共通点を見つける
すれ違いの原因に見当がついたら、「ここだったね」と納得して話し合いは終了です。
続いて、今後の誤解を少なくするため、改めてお互いの性格や行動、価値観の共通点を探していきましょう。
のんびりしている
せっかち
休日はまったり過ごしたい
スキマ時間がもったいないと感じるタイプ
コスパよりもイベント感が大事
無駄遣いは嫌い
こうやって可能な限り多くの共通点を見つけておくと、誤解が生じたときに「でも、彼の性格だから」「似ているところあるからわかる」とすれ違いに発展するのを防ぐことができます。
また、2017年のトロント大学の研究によると、共通点が多いと認めている人同士は良好な関係が長期的に続くことがわかっています。
すれ違いをすれ違いのままに終わらせず、お互いを深く知るチャンスに変えていきましょう。