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他人の不幸を喜ぶシャーデンフロイデとは?「他人の不幸は蜜の味」と感じる心理|賢恋研究所

「他人の不幸は蜜の味」と思う心理を、シャーデンフロイデといいます。誰にでもある感情ですが、この傾向が強い人は危険です。
今回は、シャーデンフロイデの3つの種類とシャーデンフロイデの傾向が強い人に対する対処法を解説します。


厳しい状況に置かれている人に対して、目線を変えるために「上を見るな、下を見ろ」とアドバイスするケースがあります。

私たち人間はメンタルが弱っているとき、自分よりもさらにひどい状況にある人を見ると少し状態が改善するからです。

「まだまだ自分は大丈夫」「あの人よりはマシだ」そう考えて、勇気をもらうのはメンタルコントロールとして適したやり方といえるでしょう。

しかし、その一方で私たちの中には、単に他人の不幸を見て喜ぶ「シャーデンフロイデ」という心理も備わっています。これは誰もが持っている心の動きですが、この傾向が強くなりすぎると危険です。

今回は、他人の不幸を糧にするシャーデンフロイデの3つの種類とシャーデンフロイデの傾向が強い人に対する対処法を解説します。

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シャーデンフロイデとは?

シャーデンフロイデは、ドイツ語で「加害の喜び」「他人の不幸は蜜の味」といった感情を示す言葉です。

心理学の世界では以前から知られている用語でしたが、SNSなどが発達し、「メシウマ」「ざまあ」といった言葉が定着し、ネットニュースの炎上がめずらしくなくなったここ数年で一般的にも広まってきました。

人の失敗を見て、「シメシメ」と思う感情は誰もが持っているものです。

しかし、ネット炎上の研究などによって、シャーデンフロイデの傾向が強すぎる人の存在がクローズアップされています。

「炎上」を作り出すのは全体のたった1%のシャーデンフロイデ傾向の強い人達

例えば、政治や社会系ニュースへのコメントを分析した調査では、炎上につながる過激なコメントを書いているのは、サイトの閲覧者のたった1%程度に過ぎないシャーデンフロイデ傾向の強い人たちの仕業であることがわかっています。

こうしたシャーデンフロイデ傾向の強すぎる人たちは、現実の人間関係でも周囲に悪影響を及ぼします。

恋人のシャーデンフロイデ傾向が高いと危険!

恋人のシャーデンフロイデ傾向が高い場合、そのまま付き合いを続けていくのは避けた方がいいでしょう。なぜなら、その人はパートナーの不幸さえも「いい気味」と思ってしまうからです。

仮にあなたがシャーデンフロイデ傾向の高い恋人と付き合っていたとして、相手よりも友達が多い、規模の大きな会社に勤めている、学歴が上、収入が多いなど、少しでも優れている点があった場合、嫉妬心から何かと足を引っ張られるというリスクがあります。

また、仕事がうまくいかない、人間関係で悩んでいるなど、あなたが困りごとを抱えたときも、シャーデンフロイデ傾向の高い恋人は支えになってくれません。悩むあなたの姿を横目に「メシウマ」とほくそ笑むのです。

研究によると、他人の不幸を喜ぶシャーデンフロイデには3つのタイプがあるとされています。どんなタイプが危険なのか、先回りして知っておきましょう。それが、あなたをトラブルから守ることになります。

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区別系シャーデンフロイデ

自分の所属しているコミュニティの価値を高めるために、外部の人たちの不幸を喜ぶ心理を、区別系シャーデンフロイデと言います。

国や会社といった大きな単位から、特定のアイドルのファン、特殊な歴史観を持つコミュニティなど、自分が所属している側は幸せで、それ以外の人は不幸だと捉えたいため、外に向けて攻撃的になるのです。

例えば…

◆ 応援しているアイドルAの紅白出場が決まった一方、ライバルのBは出場できなかった場合、「Bは所詮Aには勝てないんだよ」と執拗に嫌味を言う

◆ ライバル企業の業績不振を知り、必要以上に喜び、ここぞとばかりに悪口を言う

ほかにも、企業の不祥事や政治家のスキャンダルなどが発覚したとき、どんな人たちが炎上の火種を蒔いているかと言えば、その真逆の価値観で生きる人たちです。

「ほらみろ、経営者はろくでもない」「政治家は必ず裏で悪いことをしている」

そんなふうに区別しながら、規律があると考えられている存在が不幸になっていくのを見て、喜びを感じるのです。


競争系シャーデンフロイデ

競争系シャーデンフロイデは、自分よりもうまくやっている……と思える存在に対する嫉妬が原因になるシャーデンフロイデです。

  • 友達がスペックの高い彼氏と別れたと聞いて「いい気味」と思う

  • 自分と同い年でブレイクした芸能人のスキャンダルが発覚して「メシウマ」と笑う

  • おしどり夫婦のイクメンで売っていた俳優の不倫報道に「ざまあ」とニヤける


自分の努力の有無は棚上げして、うまくいっている人に嫉妬し、その対象がしくじったとき、一気に叩いていく。ネット炎上の原因の中核を担っているのが、この競争系シャーデンフロイデです。

このタイプのたちの悪さは、身近にいる人が何かに挑戦しようとするとき、「どうせうまくいかない」「いい気になるな」と足を引っ張ること。そのとき何に嫉妬しているかと言うと、挑戦するマインドそのものに対してです。

身近に競争系シャーデンフロイデの傾向を感じる人がいるのなら、なるべく距離を取ることをオススメします。


正義系シャーデンフロイデ

正義系シャーデンフロイデは、「自分は世のため、人のために正しいことをしている」と信じながら、人を叩くタイプです。

「自分はみんなのために正しい行いをしているから、どんな暴言を吐いても構わないし、誹謗中傷になったとしても正義の鉄槌だから問題ナシ」と考え、歪んだ正義感を振り回します。

しかし、客観的に見ればそれは正義でも何でもなく、他人の不幸を喜ぶだけのゲスな行い。このタイプが一番あくどいシャーデンフロイデだと言えるでしょう。


もし、自分の中のシャーデンフロイデが強くなってしまったら

シャーデンフロイデの3つのタイプを解説しました。

もし、身近に当てはまる言動の人がいたら、できるかぎり速やかに距離を取りましょう。いつあなたが攻撃や嫉妬の対象とされてしまうかわかりません。

一方、自分の中にもシャーデンフロイデの感情があり、それが強くなってしまっていると気づいたのなら、メンタルの状態を回復させ、精神を安定させていくよう心がけましょう。

特に、私たちはどうしても自分が落ち込んでくると、他人が羨ましくなったり、現実から目を離して努力すべきことをしなくなったり、シャーデンフロイデの感情に流されやすくなります。

大事なのは、シャーデンフロイデの感情を感じたら、それをきっかけにして「人はシャーデンフロイデに陥るときもある。自分もハマってしまっているのではないかな?」と考えてみること。

  • これが本当に自分のやるべきことはなんだろうか?

  • 自分は今メンタルが落ち込んで、他人の不幸を喜ぶぐらい追い詰められているのでは?

  • 人を攻撃するよりも、自分のために何をしてあげられることはないか?


そんなふうに考えてみましょう。

人は誰でも嫌なヤツが不幸になり、失敗したら「シメシメ」と思うものです。

でも、ずっとそんな感情を喜びにして生きていたいですか? 自分のいる環境は何も変わっていないし、変える努力を怠っているのに、他人の不幸だけを集めてSNSに書き込むような人生は送りたくないはずです。

「本当に自分のためになることはなんだろう?」と考えることをオススメします。

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