業界トップクラスのTrust & Safetyに挑む/CS部門が担うミッションとは
こんにちは、エニトグループ(with/Omiai)の採用担当です。
今回は、「Trust &Safety」のVPを務める安信のインタビューをお届けします。
マッチングアプリ業界は成長し続けており、多くのユーザーに使っていただけるサービスになっています。そのため、これまで以上に安心・安全の強化を図っていく必要があります。
エニトグループにおける安心・安全の設計やカスタマーサポート(CS)部門をけん引している安信に、当社におけるTrust & Safety(T&S)の重要性やCS部門の役割・目指すビジョンについて話を聞きました。
■Trust & Safety室長 / VP of Trust & Safety 安信 竜馬
テレマーケティングエージェンシーでCSキャリアを開始。その後、国内外複数の事業会社にてCS部門のオペレーション・組織マネジメントに携わる。2016年に株式会社エウレカに参画し、国内業界初となる24時間365日オペレーター常駐体制でのカスタマーケアの完全インハウス化を行い、2018年4月に執行役員Customer Care Directorに就任。2023年3月、株式会社エニトグループに入社。
本質的なT&Sのアプローチに挑戦
‐ 最初に、安信さんの経歴について簡単に教えてください。
テレマーケティングエージェンシーからキャリアをスタートしました。アウトソーサーとして働く中で、業務効率の改善はセンター内で実行することができる一方で、ユーザーとの日々のコミュニケーションで出てくるVoCをクライアントにフィードバックしても、伝えたことがどう事業やサービス改善に還元されたのか見えづらいことにジレンマを感じていました。そのため、2社目以降は事業会社で一貫したCSを経験したいという思いがあり、EC・金融・製薬・toBサービス等、様々な業界でCS部門のオペレーションや組織のマネジメントに携わってきています。
2016年にエウレカに入社し、国内で業界初となる完全インハウスによる24時間365日の問い合わせ対応や投稿監視体制を確立し、CS組織の担当役員として働いたあと、オンライン医療サービスの会社を経て、2023年3月にエニトグループに入社しました。
‐ エニトグループへの入社の決め手は何ですか?
決め手は2つですね。
1つ目は、経営チームから声掛けをいただいたことです。
ちなみに、グループCEOを務める小野澤とは、私がエウレカ、小野澤がTinderで働いていた時にブランドを超えて一緒に働く機会がありました。その際、度々彼女の思考の深さと速さに触れたこともあり、小野澤をはじめとする経営チームと一緒に仕事をすることが自分のキャリアにとって良い経験になる、と直感したからです。
2つ目が、マッチングアプリ市場のフェーズです。
私がエウレカにいた当時は、今よりも「オンラインで出会うことは危険」というネガティブな声を耳にする機会が多くありました。ただ、そこに対するアプローチを行うのは今ではないという感覚を持っていました。
ここ数年の間でマッチングアプリを使う心理的ハードルが下がり、より多くの方に使っていただけるサービスになった今、まさに本質的なT&Sのアプローチができる転換期を迎えている、と考えています。エニトグループとしてもその重要性を非常に高く捉えており、これまでの経験を活かしながら、新たなチャレンジができると感じたことで、入社を決めました。
T&S=より安心・安全な出会いの創出のための土台
‐ エニトグループがT&Sを強化する背景を教えてください。
エニトグループが今後さらなる飛躍的な成長をするうえで、T&Sは重要な要素の一つである、という意思決定をしています。実際に今の目標は、業界トップクラスのT&Sを目指した土台整備をおこなうことです。我々のサービスに限った話ではないですが、特にマッチングアプリはユーザーがサービスを正しく理解し、利用するための重要な担い手が必要で、そのためにT&Sが存在します。より安心・安全な出会いを創出するべく、プラットフォーマーの責任としてユーザー間のトラブルに対して機能でまかなうだけでなく、ユーザー自身がトラブルに巻き込まれないように自身の身を守る意識を持っていただくことも重要です。そのために、今後はユーザーへの気づきの機会の提供や情報発信を積極的に行っていくといった啓発活動の強化を通じてユーザーの自衛力を高めることに貢献できればと考えています。
‐ 安心・安全を設計する経験はキャリア上ではどのような汎用性があるのでしょうか?
CtoCのビジネス、特にマッチングアプリにおいて、T&Sは重要な位置付けになります。なぜなら、ユーザーがサービスを利用する上で一定の知識が必要になるからです。これは友人の紹介や飲み会での出会いにおいても同じことが言えます。今後事業を成長させていくうえで、ユーザーがどういったトラブルを抱えているのか、どういったトラブルが新たに出てくる可能性があるのか、に対して常にアンテナを張る必要があり、さらに先を見越した取り組みを行う必要があります。何かが起こってから対策を検討するのではなく、常にユーザーの動向に注視して新たなトラブルを引き起こさないための先手の動きが重要です。こういった視点での設計・戦略を立てる経験の重要性は、これからより一層高まるでしょうし、toCサービスだからこそ可能なユニークなキャリア形成だと思います。
‐ CS組織の管掌も職責の一つということですが、T&SとCSはどのように連携しているのでしょうか?
当社のT&Sは各社(with・Omiai)のCS組織の上位層に位置付けられています。T&Sが全体の安心・安全の設計を行い、そこからひも解かれる各種有効な施策の洗い出しや優先順位の判断等をT&SとCSが連携しながら推進していきます。つまり、旗振り役がT&Sであり、実行・ユーザーにサービス提供をするのはCSになります。
当社ではユーザーとの接触窓口をCSに限定しているので、T&SとCSとの連携強化は切り離せません。
攻めのCSチームを組成する
‐ CS組織が担う役割やミッションについても教えてください。
CS組織の役割は、ユーザーと直接コミュニケーションが取れる社内唯一の組織として、
・日々の問い合わせ対応や投稿監視業務、業者対策を通じてユーザーの安心・安全を守る
・単純にオペレーションを回すのではなく、そこから得られる情報をヒントに安心・安全の強化につながる機能や施策を検討してプロダクトへの意見出しを行うこと
だと考えています。
実は私が入社するまでは、CSを運営・管理するうえで必要なKPIマネジメントが十分に行き届いているとは言い難い状況でした。そのため、入社後すぐに必要なKPIの洗い出しと可視化の仕組みを作ることに着手しました。今はようやく基盤が整い、それらの数値を基に課題を抽出してオペレーションフローやルールの見直し、効率化や品質の向上を目的としたシステム化の企画提案等、ユーザー体験の向上に向けた具体的なアクションに移行する次のステージに進もうとしています。
また、CS運営において、KPIマネジメントをきっかけにメンバーが数値管理の重要性を理解したことで、品質とコストの最適なバランスを考えていく土壌ができました。一般的にユーザーへのレスポンスが早ければ早いほど満足度は高まりますが、それだけを重要視してしまうとその分コストも膨らみます。ユーザーのニーズと期待値の最適なバランスを今後も模索していきたいと考えています。
私が考える貢献度の高いCSとは、守りではなく攻めのCSを繰り広げられる組織だと考えています。
土壌が整ってきた今、各種数値を基にユーザーの傾向とニーズを正しく予測して先手を打つべく、積極的に社内に発信しプロダクトの改善に活かされる動きができる組織作りを心がけています。
‐ エニトグループでCSに携わる魅力ややりがいを教えてください。
まずは、急成長しているサービスのCSに関わることができる、ということです。メールやチャットの問い合わせ対応がメインのCSが大半の中、安心・安全なプラットフォームの提供のために我々の業界だからこそ重要な役割である投稿監視の領域があります。投稿監視はユーザーの傾向や動向を分析して柔軟に基準を見直す必要があるため、ユーザーの変化を見逃さず健全化を図る役割が期待されています。
当社ならではの魅力でいうと、with・Omiaiという2つのブランドが存在し、両ブランドが持つノウハウやナレッジを武器にシナジーを生み出していく楽しさがあることですね。それぞれのブランドにCSチームを組成し、ビジネスの規模などフェーズに合わせた体制を構築しています。定期的な共有の場では、各種KPIの状況やユーザーの傾向、体験向上に向けた各種施策などをシェアしたり、ユーザー満足度の向上に向けてのディスカッションを行い、両ブランドが持つノウハウやナレッジを積極的に活用しています。
また、CSが主体的に企画提案を行う機会が多いことも魅力の一つだと考えています。
どうしてもプロダクトの開発が優先になり、オペレーションの効率化や品質の向上を目的とした企画提案は後回しになりがちという声をCS業界ではよく耳にすると共に、実体験としてもそれに近い感覚があります。当社の場合はむしろ積極的な提案が求められるし、実際に組織としてプロダクトT&Sというチームが存在し、プランナーと連携しながら各種T&S施策をプロダクト開発に繋ぎ込む体制が構築されています。そういった観点でも当社のCSはとてもやりがいがあり、同時に社内の期待も高いと言えます。
プロダクトに対して本質的なアプローチができる組織
- CSとしてのキャリア形成の中で悩みを持つ方も多いということを耳にすることがあるのですが、安信さんも悩んだ経験はありますか?
私自身も例にもれず、過去何度も自身のCSキャリアについて悩んできました。オペレーターからスーパーバイザー、マネジャー、最終的にはCS部門の責任者というのが一般的なステップアップですが、事業会社のCSの場合、明確なポジションで定義することはできません。なぜなら、ビジネスや組織の規模によって各ポジションに求められるスキルが変わるからです。自身の強みは何なのか、自分自身が何を目指したいのか、を自問自答する中で見つけた自身のキャリアイメージは、”経営メンバーとしてCSという専門領域からビジネス・組織運営に携わる”ということです。そのためには、単純にCSの中で完結するような顧客体験の向上やオペレーション効率の改善という視点に終始せず、中長期でのT&SならびにCS戦略を描く必要があります。今も常にプロダクトに本質的なアプローチができるCS運営・組織構築はもちろん、T&Sの実現をより解像度高くイメージし続けるようにしています。
‐ 本質的にプロダクトにアプローチできるCS運営・組織構築を行う上で、具体的にどのようなことを意識されていましたか?
CSはオペレーションがメインになるという職種の特性上、ビジネスへの貢献を評価しづらいと感じています。その中で私が意識していることは、CSが追うKPIを社内の共通認識として定め、施策の効果をはかるための指標にどのKPIをセットするのかを明確にした上で施策の優先度を判断することです。CSにおける数値管理の徹底は、上記以外ではチームの目標や個人目標を設定する上でも重要です。
また、コストに対する意識は強く持っていると自覚しています。一般的にCS=コストセンターであるという考えに一定同意しているからこそですが、ただ単純にコストが下がれば良いという平易な考えではなく、ユーザーのニーズ・満足度・コストの3つが最適なバランスを保てているかを見ています。過去にはツールの導入や大規模なシステムの構築など、プロダクトやユーザーに大きなインパクトを与えることが期待できる投資の判断も数多く実施していました。
‐ CSに求められる人物像やスキルを教えてください。
まず前提として、ユーザーの立場に立って物事を考えられる人でないとCSはできないと考えています。一方で業務によっては単純作業に近いものもあるので、埋没せずに一人一人のユーザーと気持ちを切り替えて対峙できるか、が重要です。時として厳しいお叱りやご意見をいただくケースもある中で、気持ちを引きずったまま次のユーザーの対応をするということはあってはならないので、一人一人と向き合う姿勢は最低限必要なスタンスだと考えています。
そのうえで、強い組織を作っていくうえで大切だと思っていることが3点あります。
1つ目は、圧倒的なユーザー視点です。
ユーザーが何を求めているのかを常に考え、想像することで、ユーザーの本質的なニーズを捉えることができます。例えば、問い合わせの文面には表現されていないユーザーの悩みを発見し、予め想定される新たな疑問に対してFAQのリンクを貼って返信するなどの配慮が求められます。
2つ目は、分析力です。
前述の通りKPIマネジメントの徹底により、ほぼ全ての情報が数値化・可視化されています。そこから目に見える課題を特定するだけではなく、今後課題になり得る小さな傾向の変化にも目を向けることが大事です。
3つ目は、企画・提案力です。
CSはVoCの宝庫です。その重要な情報を有効活用できるか否かは、CSの力量にかかっていると言っても過言ではありません。単純にリスト化して共有するのではなく、ユーザーの代弁者として背景や改善イメージまで整理をし、責任を持って関連部署にフィードバックすることが期待されます。
‐ 最後に当社に興味を持ってくださった方へ、一言メッセージをお願いします!
エニトグループのT&S強化の取り組みは、業界でも初めての挑戦だと考えています。
他社では、プロダクト部門にT&Sの機能を持たせることが多い中で、会社のブランディングまで持っていこうとしている環境自体が稀有だと感じていますし、その文脈の中でT&S・CSへの投資も積極的に行える環境です。
チャレンジングな環境を一緒に楽しめる方は、ぜひご応募ください!
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