【説得力の心理学】仕事でも恋愛でも役立つ!説得力が格段に上がる話し方|賢恋研究所
上司を納得させたいときや営業で商品を売りたいとき、恋人を説得したいときに、「自分にもっと説得力があれば…」と思ったことはありませんか?今回は、仕事はもちろん、恋愛でも役立つ説得力が格段に上がる話し方をレクチャーします。
上司を納得させたいとき
営業先で商品やプランを売り込みたいとき
恋人に意見を受け入れてもらいたいとき
そんな場面で「自分にもっと説得力があれば……」と思ったことはありませんか?
今回は、仕事ではもちろん、恋愛でも役立つ、説得力が格段に上がる話し方をレクチャーします。
説得術は仕事でも恋愛でも活かせる!
今回は、18万件の議論を分析したコーネル大学の論文を中心に、心理学の研究で「相手の意見を変えるために効果のあった説得のテクニック」を紹介。
どのテクニックも、論破したり、強気に出て抑え込んだりするのではなく、自然な流れで相手が意見を変えてくれる方法です。相手に納得してもらったうえで説得することができます。
上司、先輩、同僚、後輩、取引先のキーマン、彼氏、彼女、友達など、あらゆる説得のシーンで役立つ話し方です。
説得力が格段に上がる話し方① 支持率が高いことを伝える
1つ目の話し方は、異なる意見の相手の考えを変えるのに有効なテクニックです。
私たち本能的に「周りの人と同じことがしたい」「多くの人に支持されている意見ほど正しい」と考える傾向があります。
これは「社会的証明」と呼ばれる心理で、相手の意見を変え、説得したいときに役立ちます。
たとえば、「A」というアイデアにこだわっている上司に「B」案の良さを知ってもらい、意見を変えてもらいたいとき……。
「『A』を支持する人もたくさんいますが、市場調査では『B』が大事だと考えている人が上回っているようです。たとえば、○○という意見もありました。『B』とそれを支持する人たちについてどう思われますか?」
このテクニックのポイントは、相手の意見を否定するのではなく、あなたの主張を押し付けるのでもなく、支持率が高いという情報を伝えること。
すると、高い確率で相手は社会的証明の影響を受けて、考えを変えてくれます。
ちなみに、友達や恋人が相手のより気軽な場面では、
「すごい数の『いいね』ついているね」
「98%の人が使って効果を感じたんだって」
「あのお店、すごく流行ってるってテレビでも紹介されてた!」
などのフレーズで相手の意見を揺さぶることができます。
説得力が格段に上がる話し方② 例え話を出す
2つ目のテクニックは、「例え話」を入れる話し方です。
人間はストーリーのある情報の方が理解しやすく、記憶しやすいことがわかっています。
これは説得する場面でも同じで、例え話が入っていると説得力が高まる傾向があります。
「この商品は、手に取ってくれた人に、子どもの頃、初めて炭酸飲料を飲んだときの『なんだ、これ!?』のような驚きを与えます」
「過去の成功パターンを分析すると、意思決定は早ければ早い方がいいようです。好きな子の隣の席は『空いた!』と気づいた瞬間に移動しないと、すぐに埋まっちゃうのと同じですね」
特に、難しい話や初めて聞く話、学術的な話のときほど、ユーモアを交えた例え話を盛り込んで伝えると、相手が「YES」と言う確率を高めることができるのです。
説得力が格段に上がる話し方③ 反対意見も受け入れる
3つ目の話し方は、「譲歩表現」です。
あなたと相手の意見が異なっているとき、説得を焦るとついつい「それは違う」「私はこう思う」と真っ向からぶつかってしまいがちです。
しかし、このような強い言葉や態度を見せると、相手は心のシャッターを閉じてしまうため、説得方法としてはNG。
意見が食い違っているときこそ必要なのが、譲歩表現です。
「たしかに。先輩の意見はいつも鋭いですよね」
「わかるなー。個人的に、あなたの意見は正しいと思います」
「なるほど。その選択もありだよね」
などの言葉で、一旦、相手の意見も受け入れます。そしてその上で、あなたが感じている違和感、リスクをなるべく客観的な情報とともに伝えましょう。
「ただ、市場調査では○○が支持されているようです」
「個人的には納得なんですが、取引先の意見は別で……」
「その選択の場合、リスクもあるけど、そこはどう思う?」
こんなふうに返すことで、7:3か6:4くらいの割合であなたの主張を通すことができます。
人は「負けた」「負かされた」と思うと自尊心を傷つけられ、反発するので、譲歩表現というクッションが説得に役立つのです。
説得力が格段に上がる話し方④ 感覚的フレーズをつかう
4つ目のテクニックは、会話の中に「感覚的なフレーズ」を盛り込むです。
私たちは話し言葉の中に五感を通して感じ取れるフレーズが含まれていると、共感能力がよく働くようになります。
「新しく入れたツールはまだ使い慣れなくてイライラしますね。前のツールの方がサクサク動いて仕事がスムーズだった気がしませんか?」
「今日は暑いからピリッとする辛いものを食べない? 汗をだらだら流したら、逆にシャキッとするかも?」
「この案件がまとまったら……と想像するとワクワクするんだ。もう一踏ん張り、がんばろう」
感覚的なフレーズが入ると、聞き手は話し手の感情、信念、物事の解釈などが理解しやすくなります。理解は共感を呼ぶので、相手を説得しやすくなるのです。
説得力が格段に上がる話し方⑤ 重要なフレーズを繰り返す
5つの目の話し方は「大事な話は繰り返す」です。
繰り返し同じことを言うのは、聞いている人をバカにしているように感じるかもしれません。
しかし、記憶力に関する研究によると、人は3回、4回と繰り返し見聞きした方が記憶しやすく、反復に苛立ちや飽きを感じるは7回、8回と回数が増していってからです。
相手を説得したいときは意図的に同じ単語や表現を繰り返すようにしましょう。
「重要なことだから、2回言います。○○を忘れずに」
「最初にも言ったことですが、改めて〜」
また、名言を使って、同じ意味合いの話を繰り返す手法も効果的。
「ベンジャミン・フランクリンは『相手を説得するために、正論など持ちだしてはいけない。相手にどのような利益があるかを、話すだけでいい。』という名言を残しています。会話の説得力を増したいなら、相手のニーズを見極めることが重要です」
聞き手にとっては話のポイントがわかりやすくなるので、好感度も上がります。
説得力が格段に上がる話し方⑥ 素を出す
6つ目のテクニックは、「素を出す」です。
2017年、ハーバードビジネススクールのフランシス・ジーナ博士が行った研究があります。狙いは、説得するときに相手の要望に合わせていくのと、素の自分を出した場合、どちらがいい結果につながるのかを調べること。
結果、自分を偽って相手に合わせようとすればするほど説得力は下がっていくことがわかりました。
逆に自分のキャラクターを出し、「受け入れられないのであれば交渉が失敗に終わってもかまわない」という感覚で向き合うと、自信のある雰囲気を醸し出しことができ、説得力が上がるのです。
番外編!特に恋愛で使える説得術
説得のテクニックの中で、特に恋愛で使えるものを3つ選びました。恋人といい関係を続けていくために役立ててください。
恋愛で使える説得術① とにかく相手の話を聞く
説得と言うと、こちらか語りかけていくイメージが持たれがちです。
しかし、重要なのは相手の考えを知ること。
特に恋人の話にしっかり耳を傾けると、「この人はちゃんと話を聞いてくれる」「真剣に考えてくれる」と信頼度が増します。
口をはさんだり、アドバイスしたりせずに最後まで話を聞く
話が途切れたところで、短くまとめてポイントを確認する
「それは悲しかったね」「びっくりするね」「イライラするね」など、相手の感情を受け止めた合いの手を入れる
こういったポイントを心得て、説得の前に話を聞きましょう。こちらがきちんと聞くことで、相手もあなたの話を受け止めてくれるようになります。
恋愛で使える説得術② LINEで連投しない
相手を説得しようと熱くなっているときは、ついつい「だからさ」「前も言ったけど」「さっきから何度も言っているじゃん」など、続けざまに感情的な言葉をぶつけてしまいます。
しかし、これは逆効果。
特にLINEなど、文章でメッセージを送るとき、短文を連投すると相手もイライラしてしまい、伝わる思いも伝わらなくなってしまいます。
伝えたいことの要点をまとめた長めのメッセージを1つ送って、しばらく放置。
相手に考える時間を持ってもらった方が、説得力は高まります。
恋愛で使える説得術③ 自分の考えと異なる意見も取り入れる
「僕からすると、こうだけど、○○ちゃんはこう考えているんだよね」
「今の私はこう思っているけど、将来は別の見方ができるはず」
「友達の○○ちゃんはこういう意見だけど、私はこう思う」
恋人を説得するとき、「私はこう思う」だけではなく、異なる視点から見た場合の意見を入れていきましょう。
2つの立場から見た考えを語ることで、聞き手に「真剣に考えている」「知識が深い」「いろんなことを検討した上で話している」という印象を与えます。
そのうえで、「僕/私は、この選択が一番いいと思っているけど、どうかな?」とまとめると説得力がましていきます。
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説得力を高めるポイントは、語ることより聞くこと!
どんな場面でも相手を説得したいと思ったら、一気に強く語りかけないことが重要です。
がーっと持論をまくし立てても聞き手は、心理的な抵抗感を覚えるだけ。
大事なのは、語ることよりも聞くことです。
相手の意見をよく聞く
相手の感情を理解していく
そのうえで別の見方、客観的な情報といった形であなたの考えを伝える
相手に考える時間を持ってもらう
これが説得力を高める会話の基本です。熱く語るよりも、冷静に聞くことを大事にしていきましょう。