似た者同士のカップルは長続きする?似ているとうまくいく理由を心理学的に解説
「カップルは似た者同士のほうがうまくいきやすい」「男女は正反対の人と惹かれ合う」などいろんな噂がありますが、本当のところどうなの?と気になりますよね。今回は、そんな疑問を心理学を根拠に解決します。
「カップルは似た者同士のほうがうまくいきやすい」
「男女は正反対の人と惹かれ合う」
カップルの相性については、いろんな通説があります。でも、本当のところどうなの? と気になりますよね。今回は、そんな疑問を心理学の研究データを根拠に解決します。
似た者同士カップルは長続きしやすい?
心理学には「類似性の法則」という考え方があります。
これは自分と似た部分、共通項がある人に親近感を抱く心理です。
例えば、初対面で出身地が一緒、趣味が同じ、食の好みが近いなど、「自分と同じかも!」というポイントが見つかると、相手への興味が深まります。
当然、この心理は恋愛でも働き、無意識のうちに自分と似た部分のある人を「いいな」と感じるのです。
そして、好きな趣味やスポーツが似ていれば、自然と一緒に遊びに行く流れになりやすく、過ごす時間が増えると単純接触効果が働き、より親近感が高まっていきます。
また、物事の見方、金銭感覚が近い人と一緒にいると、お互いの意見に「いいね!」と思えるので、自分が正当化され、自信を持てるようになります。つまり、「この人と一緒にいると、なんかいい感じ」とポジティブになれるのです。
ですから「似た者同士カップルは長続きしやすい?」の心理学的な答えは、「長続きしやすい」となります。
「初めて会った気がしない!」と、そう思える人と出会ったら、その縁は大切にしていきましょう。
ここが似た者同士だと長続きしやすい!
では、具体的にどんな部分が似ていると長続きしやすいのでしょうか。じつは心理学的に良いとされているのは、性格よりもライフスタイルが似ていること。
映画を観るのが趣味、朝型生活が好み、人間関係の作り方が近い、苦手なものが似ているなど、パートナーが相手の行動を見て「あー、わかる」という感覚になれる2人はうまくいきます。
① 嫌いなもの
公の場で人の悪口を言うのは行儀の良い行いとは言えませんが、2人の間で「あの人はちょっと…」「この番組はひどいよね」「さっきのお店の味、なんかヘンじゃなかった?」といった話題が出るのは自然なことです。
そして、お互いの嫌いなもの、苦手なもの、怖いもの感覚が一致していると、2人の関係はうまくいきます。これはネガティブな反応を引き起こす対象が一致していると、物事の判断基準が似てくるからです。
② 金銭感覚が近い
金銭感覚が似た2人は、交際や結婚の満足度が高いことが心理学の研究でわかっています。
そして、ここで言う金銭感覚が似ているとは「何にお金をかけて、何に節約したいか」の基準が近いこと。
世間一般から見ると、「趣味のグッズをあんなに買うなんて」「年に何回旅行に行くんだろう?」「節約しすぎて辛くないのかな」など、偏ったお金の使い方に映っても、2人が同意できていれば問題ありません。
お金に関する意見の食い違いが少ないと、それだけケンカの火種も減るので平和な関係が築けるのです。
③ 食の好み
食べることは生きることです。
将来的に一緒に暮らすことを考えると、食の好みは重要なポイントとなります。
「しいたけが苦手」「ラム肉はちょっと」と苦手なものが近かったり、「朝はごはん派」「肉より魚派」と好みの傾向が似ていたりすると、食事の時間がストレスなく楽しいものになります。
④ 衛生観念
衛生観念は、清潔さに関する価値観のこと。
たとえば、バスタオルは1回使ったら必ず洗うという人もいれば、室内に干しておいて翌日も使う派もいます。また、1日に3回歯磨きをしたい人もいれば、朝晩で十分と考える人もいます。
こんなふうに衛生観念は人によって異なるわけですが、そのズレが大きいと同棲や結婚生活が始まった後、トラブルの種に。
もちろん、パッと見て、「生理的に無理……」と感じる人と付き合うことはまずありえないので、衛生観念はお互いを知っていく過程で明らかになるもの。完全に一致とまではいかなくても、譲れない線が似ていることを願いましょう。
⑤ 人付き合い
たとえば、家に友達やその知り合いを呼んでワイワイ騒ぐのが好きな人と、呼ぶ友達は数人の親しい人だけに限られている人。そもそも恋人しか家に入れたくないという人。人付き合いのスタイルは、人それぞれです。
その友好関係のスタイルがかけ離れていると、付き合う期間が半年、1年と長くにつれてどちらかが我慢することに。
広く浅く、広く深く、狭く深く、狭く浅くなど、どのタイプがいい悪いではなく、人付き合いのスタイルは似ているほうが交際もうまくいく可能性が高くなります。
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⑥ 恋愛の価値観
心理学者のアーサー・アローン博士とウエストバージニア大学の研究チームが協力し、人々が恋愛にどんな喜びを求めているのかを調査した研究があります。
そこで明らかになったのが、次の6つの恋愛スタイルです。
情熱的な恋愛を求めるアモーレ
自由な恋愛を好むルダス
穏やかな恋愛を求めるストルゲ
実用的な恋愛を好むプラグマ
熱狂的な恋愛を求めるマニア
尽くす恋愛を好むアガペ
博士らの研究によると、この恋愛スタイルが近い人は、恋人に求めるもの、与えたいもの、どんなデートが心地よいかなど、恋愛に対する価値観が似ていて、うまくいきやすいことがわかっています。
似ていなくても補完し合えれば大丈夫
ここまで読んでみて、「彼氏、彼女と似た者同士な部分があまりないかも……」と思った人も安心してください。
よく「夫婦は似てくる」と言われるように、一緒にいる時間が長くなるとお互いの価値観や考え方はゆっくりと近づいていきます。
それぞれにとっての譲れない一線は変わらなくても
「この人は友達付き合いが大事な人で、それがいいところ。私を巻き込まなければ大丈夫」
「食べず嫌いだったけど、彼女の教えてくれた調理法ならきのこ類もおいしく食べられる」
など、歩み寄れるポイントが見えてきます。
また、考えるより行動派の彼女と慎重に考え抜いてから行動する彼氏の組み合わせでも、
「彼女が背中を押してくれて決心がついた」
「彼がよく考えてくれるおかげで見切り発車での失敗が減る」
と相手の長所と自分の欠点を補完しあえている、と捉えるとパズルのピースに重なり合ってうまくいくはずです。
価値観の一致しない部分に対して「あなたはそういう考え方なのね」と受け入れることができれば、それはそれで親密になれます。
趣味も何もかも違うのにいいカップルというのは、似ていない部分を認め合える、理解できるという部分で繋がっているのです。